画期的発見:動物の細胞は日光とクロロフィルを動力源としている

投稿日時:2015423日(木)10:15 am

著者:Sayer Ji, Founder

著作権:GreenMedInfo LLC, 2015
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Journal of Cell Science(細胞科学ジャーナル)に発表された驚くべき研究は、野菜を食べることはなぜ重要なのか、これまでと別の理由を明らかにしました。グリーンの野菜を食べて日光に当たることで、ミトコンドリアはより多くのATPを生産するというのです。

 

"Light-harvesting chlorophyll pigments enable mammalian mitochondria to capture photonic energy and produce ATP"(光を採取するクロロフィル色素、哺乳類のミトコンドリアがフォトンエネルギーを収集することによるATP生産を可能に)というタイトルの研究が示唆するのは、クロロフィルが豊富な食事をすることによって哺乳類(もちろん人間も哺乳類の一種)も日光に含まれる特定の波長を採取することが可能となり、ミトコンドリアというエネルギー生産所からのエネルギー産出を増やすという事実です。

細胞科学ジャーナル 研究論文

光を採取するクロロフィル色素、哺乳類のミトコンドリアがフォトンエネルギーを収集することによるATP生産を可能に

 

コロンビア大学メディカルセンターの研究者たちは、光を吸収するクロロフィル分子を利用して光エネルギーを収集する機能が植物だけでなく動物にもあるのか、またそれによってATP合成が促進されるかどうかを確認すべく数々の実験を行いました。

一般的に、光合成によって日光から直接エネルギーを生産できるのは植物だけだと考えられていますが、クロロフィルを消費する動物もまた、クロロフィルを食べることによって光エネルギーを得ているのではないかと考えたのです。

これまでの研究から、クロロフィルの代謝産物は「動物の組織に入り込むことが可能な波長の可視領域にある光を吸収する」ことがわかっています(Ferruzzi  Blakesleeによる2007年の研究; Ma  Dolphinによる 1999年の研究)。

こうした事実に基づき、今回の新たな研究は「食事から摂取したクロロフィル代謝産物と光の吸収の因果関係は解明されたと考えられる」としています。彼らの発見は驚くべきものでした。

食事から摂取したクロロフィル代謝産物は血液循環システムから体内の組織へと進入し、ミトコンドリアで濃縮される。クロロフィル代謝産物の混入していない動物の組織と比較した場合、クロロフィルの代謝産物(光を採取する働きを持つ)とともに培養された哺乳類の単離ミトコンドリアや動物由来の組織は、光に曝すことによって高濃縮のATPを生成する。

ATP濃縮を促進したのと同様の代謝産物は、光に曝したシーエレガンス(線虫の一種)の寿命の中央値を伸ばすこともわかった。この事実は、食べ物に由来する代謝産物を経由して取得した光エネルギーは、動物のエネルギー代謝調節機能において重要な要素であるという仮説をサポートする。

本研究によるデータは、食事から摂取したクロロフィル代謝産物がコエンザイムQ還元の触媒となってミトコンドリアATPを変容させるという仮説と矛盾しない。老化現象、細胞や生物の機能を理解する上で大きな意味のある発見である。

この研究の方法や結果に関する詳細はこちらからどうぞ。→view the full pdf online here.

論点

研究者が述べている通り、この研究は非常に深い意味を持っています。ATPの生産は人体の健康に関する全ての側面にとって欠かすことのできない機能です。栄養状態や環境への不適応によるストレス、病気などによってATP生産が最適ではない状態は老化のスピードを早め、別の病気の原因にもなります。

仮にマイナスに作用しなかった場合でも、ATPの生産は酸化ストレスの増加、疲労、バランスの乱れ、加齢に伴って減少します。減少を補うには栄養面からATP合成を促進する措置が必要になり、クロロフィル(とその代謝産物)が豊富な植物ベースの食事は、それ以外の食事より利益があることは明白なのです。

また、現在の工業化社会では細胞のメカニズムが大きな危険に曝されており最適からは程遠い状態にあります。栄養的・機能的側面からもクロロフィルとその代謝産物を摂取することは、理想的な対策となるかもしれません。

 

動物の細胞に関するこの研究が人間にも当てはまるとしたら、クロロフィルが不足した食事や日光に当たらないことはATP生産を大きく減らすことを意味します。だとすると、緑色の波長を視覚からとり入れてミトコンドリアによるエネルギー発電を促進し、その結果老化をスローダウンさせたり、日光のエネルギーを直接体内に取り込むことで健康増進を図ることができるかもしれません。

この研究は生きたクロロフィルを豊富に含むグリーンの生野菜を日常的に食べることの重要性を裏付けるものだと考えていますが、みなさんはいかがお考えでしょうか。

細胞生体エネルギーに対する革新的理解の兆し?

 

人体がバイオフォトンとして知られる微弱な光(目に見える範囲より下の光)を発していることは様々な研究によって既に証明されています。このことを考えれば、人体が日光を捕え利用していると考えることはそれほど難しくありません。さらに、発表されたばかりの2つの新しい研究によると、人体はメラニンからも太陽光エネルギーを捕え、細胞に存在するその他の成分を併せて利用することで「ATP追加合成」として知られるプロセスを働かせる能力を持つよう進化してきたそうです。

2つの研究のうち一方のタイトルは、"Did human hairlessness allow natural photobiomodulation 2 million years ago and enable photobiomodulationtherapy today? This can explain the rapid expansion of our genus's brain"200万年前に発生した無毛化が天然のフォトバイオモジュレーションを人間に照射し、それによる進化が今日フォトバイオモジュレーションによる治療を可能にしたのか?アウストラロピテクスの脳の急速な拡大はこの考察によって説明がつく)というもの。

皮膚を継続的して紫外線に曝すことが可能になったことが遺伝子の変異の引き金となり、無毛の個体が積極的に選択されることになった結果、様々なシグナル伝達が行われたくさんのエネルギーを必要とする脳の新皮質の成長が早められたというのです。ここでその驚くべき論文の要約をご紹介したいと思います。

人間はなぜ無毛なのか説明する現在の仮説は、無毛による直接的な利益はないとする点が不適切である。新たな仮説は低出力レーザー治療として知られるバイオモジュレーションの研究に伴って前進し、検証することも可能である。この研究は、赤外線と近赤外線は脳を含む皮下脂肪組織にとって非常に有利だとしている。

ランダム変異によって完全な無毛になった人間は、1日に必要な赤外線・近赤外線を日没時に捕えられるようになった。バイオモジュレーションに関わるこの研究は、このことには2つの意味があると指摘している。1つは脳を含む全ての皮下脂肪組織でのミトコンドリア呼吸鎖の活動が増加することから、後続のATP追加合成という結果をもたらすこと、もう1つは核内因子NFkB の活性化を通じ100以上の遺伝子の発現に有利に働くことから、脳代謝と血行動態の改善にもつながることだ。

さらに、メラニンによるATP追加合成は呼吸鎖に電子を供給する。こうした一連の作用は、突然変異や選択的一掃によって無毛が発生した直後から自動的に開始され、これに続いて脳の急速な拡大をもたらしたのである。人間の進化は知性の高さ故と考えられるが、その発端は新たに登場した無毛の個体のエネルギー増加に見出すことができる。

もう一方の研究の仮説や示唆することはさらに過激で、"Beyond Mitochondria, What would be the Energy Source of the Cell?"(ミトコンドリアを超えた細胞のエネルギー源は何か)というタイトルです。この研究は、日光を捕え生化学的なエネルギーに変換することで(特に水を分離し改質して)メラニン色素は細胞のエネルギーの90%以上を提供することができるとしています。もしこれが証明されたら、グルコースが細胞の主なエネルギー源だとする現在の細胞生物学の見解は根本から覆され、栄養や医療の分野にも甚大な影響を与えることになります。それでは早速要約をみてみましょう。

現在の細胞生物学はグルコースが主なエネルギーだとする考えに依拠している。細胞はどのようにしてグルコース酸化からエネルギーを生成し利用するか(酸化的リン酸化においてミトコンドリアが重要な役割を果たす)説明しようと躍起になるあまり、細胞の生体エネルギー経路を不必要に複雑にしている。

失明をもたらす要因は世界的にみて主に3つあるが、これに関する記述的研究の際、水分子の分離を通じメラニンは光エネルギーを化学的エネルギーに変換させる能力を持つことが明らかになった。その後の数年間、我々はこの発見と一般に受け入れられている代謝経路とを結び付けようとした。この過程において、複数の科学論文に点在する代謝に関する現在の知識を収集しまとめることになった。 

しかし第一に、代謝に関する文献は多岐に渡る上、結論を証明する証拠を含むものは少ない。第二に、こうした文献には重複も多い。1937年という早期に行われた比較的よくまとまった研究はクエン酸回路の代謝プロセスを説明しており、現在でも生物学や生化学の授業に頻繁に登場する。しかしこの説明も正確ではない。少なくとも5つ文献で異なる説明がなされているが、この5つの文献には合わせて7000もの反応について述べられているのである。さらに、5つの文献で全く同じように説明されている反応は199に過ぎない。

メラニンによる生化学エネルギー生成プロセスを、既知の生体エネルギー経路と統合することは簡単そうに見えて実は非常に難しい。また代謝ネットワークに関する科学界の合意が得られていない状況では乗り越えられない壁も存在する。我々の努力は何年にも渡ったが、結局成功には至らなかった。そうして我々は、とうとうこのように理解したのである。「メラニンは水分子の分離によって生化学エネルギーを生産する。このエネルギーは細胞が必要とするエネルギー量の9割以上になる」。この発見は細胞生物学に新たな理解をもたらした。グルコースとATPの生物学的な機能はバイオマスであり、エネルギー量はそれほどではないのだ。

メラニンの意外な固有特性は、水分子の分離によってフォトンエネルギーを生化学エネルギーに変容させることを我々は発見した。これまでは植物のクロロフィルのみが持つと考えられてきた機能である。グルコースを神聖視し、ミトコンドリアを細胞のエネルギーと活力の源だとする考え方に我々は大きな疑問を持っている。

このトピックに興味をお持ちの方、論文の全文へのアクセスをご希望の方、ディスカッショングループへの参加をご希望の方はsayerji@greenmedinfo.comまでご連絡ください。