光を食べるエネルギー栄養学 vol.5

「情報伝達物質(カンナビノイド)とバイオフォトン」

 

情報伝達のしくみについて、vol.1でもご紹介しましたが、今回は情報伝達を媒介しているのは何か、また別の視点から考えてみたいと思います。身体の各部分、各細胞同士の神経の伝達が良くなるということは、1つのまとまりとしての身体の統合性が高まるということです。他との統合性が弱くなった部分に発生するのが病だとと考えるなら、スムースな情報伝達をサポートすることは健康の鍵だということができます。

日本ではまだまだ誤解の多いカンナビノイド(大麻草の成分)ですが、欧米では研究が進み、優れた情報伝達物質として認識されています。てんかんやガンの治療に用いられ、神経系の難病や消化器系疾患への有効性も確認されるなどまさに万能。医療用だけでなく、楽しみとしての利用も解禁される国、米国の州もどんどん増えています。

今回はそんなカンナビノイドについてもご紹介したいと思います。

 

■鍵と鍵穴

 

細胞には受容体(レセプター)と呼ばれるタンパク質があり、情報伝達物質(リガンド)による物理的・化学的刺激に反応して応答します。レセプターは「鍵穴」にたとえられ、特定のレセプターだけに結合し、細胞に刺激を与えるリガンドは「鍵」にたとえられています。

細胞は、リガンドが結合したレセプターの信号を認識し、その信号に応じて細胞分裂や細胞死などの反応を起こします。

レセプターは細胞膜の内と外をつなぐ形で存在し、細胞の外側の刺激や情報を、細胞膜の内側に伝えます。

この一連の反応を通じて情報が細胞の内側に伝達され、細胞の生理機能を変化させます。1つの細胞は他の細胞と、このようにして情報をやり取りしているというのが、既存の科学における考え方です。

★画像は http://www.prima-luce.jp/?mode=f3 さまよりお借りしました★

 

■医薬品の働き

 

実は、医薬品の多くはレセプターとリガンドのしくみを利用しています。医薬品がレセプターに対して作用をもたらす場合、レセプターの機能を高める「アゴニスト」(作用薬または作動薬)と、逆に受容体の機能を阻害する「アンタゴニスト」(拮抗薬または遮断薬)の2つのタイプがあります。

 

アゴニストはレセプターと結合し、本来のレセプターと同じ働き、つまり情報の伝達をサポートします。アンタゴニストはその逆で、レセプターとリガンドが反応することを妨害して、レセプターが働かないようにします。

医薬品には、酵素(細胞内で起きる反応の触媒)の働きを高めたり、抑制することによって、細胞の機能にはたらきかけるものもあります。この場合にも、鍵(薬)と鍵穴(酵素)の関係を利用して、酵素の働きに影響を与えています。

 

このように、医薬品の多くは、もともと人体が持っている機能を作用させたり、遮断することを目的としてつくられています。ただ、医薬品がターゲットとするレセプターや酵素は、薬を効かせたい部位にだけ存在するのではなく、身体の全体に存在します。そのため、効かせたい部位以外に薬が作用してしまうこともあり、それが副作用として現れます。

 

★画像は https://www.healthy-pass.co.jp/blog/20160517-2/ さまよりお借りしました★

 

■植物の「薬効」は情報伝達によるもの

 

人間は古くから植物の薬効成分を利用してきました。漢方やアーユルヴェーダ、ハーブなど、どれも確かな効果がありますよね。なぜ植物が人間の身体に働きかけるかというと、それぞれの植物にリガンドと同じ働きがあるからです。現在の医薬品は、もとはといえば植物に含まれる薬効成分をそのまま利用するか、化学的に合成しているのです。それでは、薬用植物と医薬品の違いは何かといえば、植物では他の様々な成分も同時に摂取するのに対し、医薬品では薬効のある成分だけを抽出したり、合成して利用している点にあります。ホールフードと精製食品の違いと同じですね。

 

植物に人間にとって有益な成分が含まれるのはなぜでしょう。フルーツや野菜に含まれる成分、ポリフェノールやカルテノイド、ビタミンCやEといった抗酸化成分は、植物が太陽光の紫外線から身を守るためにつくられる成分です。人間がその成分を摂取すると、自身の身体の活性酸素を中和させることができます。アンチエイジングや病気予防をサポートするというわけです。

このように、ある成分が植物にも人間にも同じように作用する、というのは偶然なのでしょうか。植物も人間も、同じ地球に生きる命であり、見た目は違いますが、本質はそれほど違わないのかもしれません。また、様々な形に分化するずっと前まで辿っていけば、共通の部分も多いのかもしれませんね。

 

■カンナビノイド

 

カンナビノイドとは大麻草特有の成分の総称で、現在のところ80種類以上の成分がカンナビノイドと呼ばれています。カンナビノイドの中にはレセプターに結合することで薬効を発揮するものがあるため、カンナビノイドは神経伝達物質、つまりリガンドだと考えられています。

カンナビノイドがリガンドで、レセプターと結合するということは、人体の側にカンナビノイドのレセプターが備わっているということです。つまり、カンナビノイドと同様の成分が、人体にはもともと備わっていることになります。このような、体内に自然に存在する成分を内因性カンナビノイドとよびます。

 

神経伝達物質である内因性カンナビノイドには、多岐に渡る生理作用があります。記憶・認知、運動制御、食欲の調節、報酬系の制御、鎮痛、脂肪代謝、免疫機能や炎症の制御がその代表です。内因性カンナビノイドの異常が引き起こす疾患は、ガン、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞高血圧、緑内障、肥満、メタボリック症候群、骨粗しょう症、うつ病、多発性硬化症など様々ですが、加齢に伴って目だってくる症状も多いですよね。ということは、神経伝達物質を積極的に摂取することで、アンチエイジングや病気予防の効果が期待できることになります。

 

■大麻による多幸感

 

植物である大麻が、化学的に合成されたドラッグと混同されてしまうことを、私は常々とても残念に思っています。大麻を吸引すると多幸感を得られることが原因なのでしょうが、マスコミによるイメージ操作も大きな役割を果たしていると思っています。

どういうことかご説明しましょう。もし「多幸感」を「精神変容作用」と言い換えるなら「精神に異常をきたす」といったイメージになってしまいます。ただ、大麻によって多幸感が得られるのは、神経の伝達がよくなり、精神が「活性」するからです。海外で、大麻の医療目的での利用が増えているのは、末期ガンによる痛みを緩和したり、絶望感を取り除くことに大麻が効果を発揮するからです。

 

もちろん、内因性カンナビノイドにも、肉体的・精神的な苦痛やストレスを抑える働きがあります。体内のあちこちでこのように作用していることを考えると、人間の持つ自然治癒力は内因性カンナビノイドによって発動されるのかもしれません。「病気」というと、どうしても肉体の症状のように捉えてしまいがちですが、実はストレスなど精神的な要因が引き金となり、症状はその結果として現れてくるものです。もし、内因性カンナビノイドによって、ストレスや苦痛が十分に緩和されていたら、症状となって現れてしまう前の段階で対処できるかもしれないのです。

 

■アダプトジェン

 

『適応促進薬」と翻訳されているアダプトジェン。日本での認知はまだまだ低いですが、海外では神経伝達物質を含む植物として知られています。アダプトジェンの多くは漢方やアーユルヴェーダの世界で古くから用いられていたことから、スーパーフードの上位版、つまり「薬」と「食品」の中間のような位置づけで認識されているようです。

日本人にもなじみ深いアダプトジェンには、高麗ニンジン、霊芝、アマチャヅル、スーパーフードとしてもおなじみのマカやクコ、インドのハーブティーとして人気のトゥルシ(ホーリーバジル)もアダプトジェンです。

 

<アダプトジェンに分類される植物>

海外の健康食品ストアで気軽に購入できるアダプトジェンに加え、ヘンプシードやヘンプオイルなど、食品として購入できる大麻製品を使ったレシピをご紹介するワークショップも企画中ですので、どうぞお楽しみに。

 

★画像は https://www.slonutrition.com/2017/11/04/favorite-aptogen-herbs/ さまよりお借りしました★

 

■バイオフォトンによる情報伝達

 

vol.1では、ヴァイブレーション医学の見地から「細胞同士の物理的な接触はなくても、お互いの振動に共鳴することでコミュニケーションしている」という考察についてご紹介しました。レセプターとリガンドのしくみはもちろん、体内の細胞同士が情報をやり取りするための手段の1つなのでしょうが、コミュニケーションの手段は他にもあるのだと思います。素粒子である「バイオフォトン」(生体光子)を介したやり取りもまた、細胞同士のコミュニケーションの手段だという考察を紹介させてくださいね。

 

生体光子とも呼ばれるバイオフォトンは生物が発する微弱な光で、肉眼で見ることはできませんが高性能のデバイスを用いると検出することができます。

かつて「キルリアン写真」として知られていたものに写っている光は、実はバイオフォトンだったということが分かっています

★画像は https://www.the-limitless-minds.com/2018/03/15/vibrational-food-auras-kirlian-photography-shows-chi-energy-raw-organic-foods/ さまよりお借りしました★

 

2010年に発表された論文、"Biophotons as neural communication signals demonstrated by in situ biophoton autography."《バイオフォトンは神経系のコミュニケーションシグナルであることがその場において証明された》https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20221457)では、「植物、バクテリア、動物の好中性顆粒球、腎細胞でバイオフォトンを介して細胞間のコミュニケーションが行われていることが明示された」としています。この研究で、研究者たちは赤外線、赤、黄、青、緑、白の光という異なるスペクトラムを用いて脊髄と運動神経源の一方に刺激を与えました。するともう一方の神経源において、バイオフォトンの活動に大きな影響が見られたといいます。

このことから、「光による刺激はバイオフォトンを生成し、バイオフォトンが神経線維を伝わることによって、神経コミュニケーションシグナルを伝達している」と結論付けたのです。

 

バイオフォトンは、細胞におけるエネルギーの代謝によって生産され、DNAから放射されると考えられています。神経伝達物質などの生化学物質によるコミュニケーションより、ずっと速いスピードで情報伝達が行われます。

 

■酸化とバイオフォトンの放射との関係

 

人体からのバイオフォトンの放出は、時間帯によっても、生体の状態によっても変化していることがわかっています。そうした研究の1つによると、身体の表面から放射されるバイオフォトンの数は、朝→昼と時間の経過に伴って増えていくそうです。

 

バイオフォトンの放出は「酸化に抗うストレスに伴って増える」とする研究もありますが、根拠となっているのは「瞑想を頻繁にする人は放射が少ない」というデータや(瞑想の習慣が生理的・生化学的な側面に変化をもたらし、フリーラジカルの活動にも影響を与えたからだと考えられています)、ストレス軽減作用の高いアダプトジェンとして知られるイワベンケイを摂取する人は、バイオフォトンの放射が減ったことなどが挙げるられています。

 

東北工業大学工学部 小林研究室の「バイオフォトンギャラリー」 (http://www.eis.tohtech.ac.jp/study/labs/kobayashi/BiophotonGallery.html)にバイオフォトンの写真が掲載されているのでぜひご覧いただきたいのですが、傷をつけた大豆子葉では傷の部分のバイオフォトンが特に濃くなっていますし、喫煙した人の人さし指と中指でバイオフォトンが多いことがわかります。

このことを読み解くとしたら、どんなことがいえるでしょうか。酸化ストレスを受けた生体の部位は、他の部位との同調性が低下してしまいます。そのため、バイオフォトンを介して他の部位とふだんより緊密に連絡を取ることにより、同調性を回復させようとしている、ということになるかもしれません。

カンナビノイドとバイオフォトンの関係に関する論文は見つけることができませんでしたが、カンナビノイドもまた、バイオフォトンの状態に影響を与えているものと思われます。

 

■健康、現実創造とバイオフォトン

 

バイオフォトンは身体から放出されるだけでなく、意識とも関係あることがわかっています。

2008年、investigation Clinica(臨床研究)誌に発表された論文"Evidence about the power of intention"(意図することによるパワーの証明 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19245175)によると、「意図を持ったことによって結果が生じるメカニズムにはバイオフォトンが関わっている」としています。どういうことでしょう?「生命を持つもののすべてが放出するバイオフォトンは、身体のある部分から他の部分へ、さらには身体の外側へと信号を送っている。私たちが意図を持つと電磁エネルギーが生まれ、フォトンに『秩序立った流れ』をもたらす。こうして私たちの意図が高度にコヒーレントな周波数を持つと、物質の分子構造を変化させることも可能なのだ」。

「コヒーレント」という状態に、私は大注目しています。コヒーレントという言葉は「位相が揃っている」という意味であり、エネルギーの波(周波数)が一定であったり、きれいに揃っていたりすることで、他の波に干渉することができる《影響をあたえることができる)ことを意味します。

 

★画像は https://interactive.quantumnano.at/advanced/molecular-beams/coherence/ さまよりお借りしました★

 

vol.2でご紹介した「第四の水の相」を例にすれば、ふつうの水は水分子がてんでんばらばらに飛び回っている状態なのに対し、第四の水の相では蜂の巣状にきれいに整列している状態です。コヒーレントな状態とは、一定のパターンがあることで、ばらばらに飛び回っているものが他の何かに影響することはできないことは、何となくイメージしていただけるのではないでしょうか。

量子生物学の分野では、バイオフォトンがコヒーレントな状態の時、外部からのエネルギーへの依存度が低下したり、酸化による影響を受ける度合いが少なくなると考えます。つまり、不食や不死に近づくということです。

 

先にご紹介した論文にある通り、瞑想する習慣とバイオフォトンの状態との間に関わりがあるのであれば、瞑想によってもたらされる効果―心の穏やかさや静寂―は、不食や不死への道しるべなのかもしれません。