[ワシントン・ロイターES=時事]米食品医薬局(FDA)は11日、食品製造業者に対し、家畜の生育促進で抗生物質の使用を自主的に停止するよう求めたことを明らかにした。これは、強力な薬剤耐性菌「スーパーバグ」の増加防止の取り組みの一環。
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このニュース、非常に良いことのように思えますね。抗生物質を与えられていない肉を食べられるようになるかもしれないのですから。
気になるのは「成長促進での使用」というところ。抗生物質は、主に2つの目的で家畜のエサに混ぜられているのだそうです。1つは成長促進、もう1つは過密な環境で飼育される家畜の病気を防ぐため。「成長促進」といっても、何も成長が早くなるわけではなく、少ないエサで効率良く体重を増やすという意味なのだそうです。
アメリカの大学でナチュラルハイジーンの勉強をしていた時「鶏舎で働く人は太りやすい」ことを意味する "The Chicken Factor" という言葉があることを知りました。原因は、少量で早く太らせる目的でエサに混ぜる、抗生物質をはじめとする添加物を鶏舎で働く人が吸いこんでしまうことで、人間にも影響が出てしまうからなのだそう。このようなエサを食べた動物の肉を私たちも食べているわけですから、影響が全くないと言われても信じることはできません。
上記の記事だと、2つめの原因による抗生物質の使用にはお咎めなしのようです。それで本当に抗生物質の使用は減るのでしょうか?何しろ、人間の人口の6倍とも7倍ともいわれる家畜は、身動きが取れないような狭いスペースの中で、頭から仲間の排泄物が垂れ流されるような環境で一生を過ごし、殺されます。こうした工場型畜産がすぐに改善される見込みは、私たちが食生活を見直さない限りほとんどありません。しかも「自主的に停止するよう」求めたわけですから、本当にやめさせるつもりがあるのかどうかすら、疑いたくなります。
さらに。エサとして与えられた抗生物質や添加物は、当然排泄物にも含まれています。他のブログ記事にも書きましたが、最近の肥料は動物の排泄物を十分に発酵させず「そのまま」に近い状態で畑にまいてしまうこともあるのだそうです(理由はもちろん、時間を短縮し効率を上げるため)。
添加物はこうして野菜に吸収され、知らずに私たちが食べてしまう。人間は、こうしたつながりの中に生きているのです。
このような現状を変えるため、安心して食べることができるようにするためには一体どこから手を付ければ良いのでしょう?現代社会は、完全に負の連鎖に完全に絡めとられてしまっているかのように思え、投げやりな気持ちになってしまうこともあります。でも、一消費者として、小さくとも行動を起こす以外に手はありません。より配慮のある商品を、食生活を選択し続けるという方法で。
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