著名なフルータリアン、世界唯一のフルータリアン専門オンラインマガジン、The Vibranceの発行人であるデイビット・クレイン博士によるフルータリアンのスタンダードを翻訳してご紹介します。
(原文はこちら→http://www.fruitarian.info/)
目次
1.フルーツとは
2.果食動物とは
3.フルータリアンとは
4.フルータリアンの食生活
5.具体的な食事法
6.ナチュラルハイジーンの考え方
7.ナチュラルハイジーンによるデトックスの考え方
8.フルータリアンの先駆者たち
9.疾病からの回復を目的としてフルータリアンの食事法を試してみたい方へ
茎やつる性の植物、低木、果樹といった植物になる、種のある実。生物学的な共生生物によって食べられる。フルーツの種は他者に食べられることによって遠くまで運ばれ、その地で繁殖する。
中果皮(皮と種の間の果肉)が共生生物にとって魅力的であることは、上記の目的を考えると決して偶然ではなく、知的な戦略とさえ言える。
フルーツの栄養価は共生生物が必要とする栄養素と完璧に合致しているだけでなく、すでに消化された栄養素でもある。
どういうことか?熟したフルーツの炭水化物は、人間にとって非常に都合がいいことに、消化せずに利用できるグル―コースとフルクトースという単糖に変換済みなのである。
さらに熟したフルーツに含まれる酵素は、たんぱく質をアミノ酸に、脂質を脂肪酸とグリセロールに変換してくれている。
そのため、人間がフルーツを食べることは、純粋にそのすばらしい味わいを楽しむことだけ。消化にエネルギーを消費する必要はない。
かぼちゃやズッキーニなどウリ科の植物は、植物学的にはフルーツに分類されるが、でんぷんが多く含まれることから生化学的には「でんぷん質」「半でんぷん質」と分類される。
正しい食べ合わせについて検討するため、フルーツを(生化学的な組成に従って)以下のように分類する:アシッドフルーツ、スイートフルーツ、サブアシッドフルーツ、でんぷん質・半でんぷん質のフルーツ、メロン類、野菜に近いフルーツ、脂肪の多いフルーツ
それぞれの分類には以下を含む:
アシッドフルーツ:柑橘類(オレンジ、みかん、レモン、ライムなど)、サクランボ、桃、プラム、ネクタリン、マンゴ、ベリー類、キウイ、パイナップル、グアバ、パッションフルーツ、トマト
*消化にかかる時間は約1時間。きゅうり以外の他のフルーツと一緒に食べない。
スイートフルーツ:バナナ、デーツ、いちじく、ぶどう、柿、ドリアンなど
*消化にかかる時間は2~3時間。アシッドフルーツやメロン類と一緒に食べない。
でんぷん質・半でんぷん質のフルーツ:ウリ科のフルーツ(かぼちゃやズッキーニ)
*消化にかかる時間は3~5時間。アシッドフルーツ、スイートフルーツ、サブアシッドフルーツやメロン類と一緒に食べない。
メロン類:メロンやスイカ
*1時間もかからず消化される。きゅうり以外とは一緒に食べない。
ノンスイートフルーツ:きゅうり、パプリカ
*1時間もかからず消化される。パプリカとメロンは良い組み合わせでないことを除き、どのような食べものと組み合わせてもよい。
脂質の多いフルーツ:アボカド、オリーブ
*消化にかかる時間は6~12時間。葉物野菜や少量のアシッドフルーツと良い組み合わせである。
*メロン類を除くすべてのフルーツは、葉物野菜と良い組み合わせである。
人間は、色彩豊かで香りが良く、熟して十分に甘みのあるフルーツにひかれる動物である。フルーツは、もいで皮をむいたらすぐに食べることができる。
ここで、著名なフルータリアン、T.C.フライ博士の発言をご紹介しよう:
「人間にとってフルーツほど完璧な食べ物はない。フルーツには我々の身体に必要な栄養素が含まれているだけでなく、そのおいしさで私たちの心まで高揚させてさてくれる」
「何よりもすばらしいのは、食べる者にとって必要な栄養素が全て含まれていることだ。フルーツを食べ物とする生物は、実のなる植物と生物的にみて共生している。種をとりまく実をもつ何千種類ものフルーツは、その種を遠くまでばらまくことに成功してきた。つまり、熟したフルーツは人間の五感を心地よく刺激し、そのおいしさによって今日まで生きのびてきたのだ。
ほぼ全ての植物や種には人間が代謝できず、直接・間接的に有毒となる成分を含んでいるのに対し、熟したフルーツには人間にとって毒になる成分を全く含まない。フルーツは人間にとって最も自然かつ理想的な食べ物なのだ。もちろん、現代社会においてフルーツ以外のものを一切食べてはならないと言うつもりはないが、自然な状態において人間の食べ物はフルーツなのである。」
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果食動物とは、生物的に主にフルーツを食べるように身体がデザインされている脊椎動物のことである。
霊長類(ヒト、類人猿(ゴリラ、オランウータン、チンパンジーなど))はみな果食動物。
果食動物といっても、その全てがフルーツしか食べないわけではなく、100%フルーツのみの食生活はおすすめしていない。
肉食動物と違い、果食動物は何百万という汗腺をもっており、太陽が照りつける日中にフルーツを摘み取って食べたとしても、汗を分泌して体温調節ができる。
また果食動物には臼歯があり、食べものをすりつぶし、咀嚼することができる。大腸・小腸は胴の長さに比べ12倍も長いため、フルーツの栄養素を十分に吸収できる。
果食動物には唾液腺があり、でんぷんを分解するプチアリンという消化酵素が分泌される。しかし、たんぱく質を分解する塩酸の量は、肉食動物の体内から分泌される塩酸の量の1割程度でしかない。
生理学的にも解剖学的にも、果食動物は主にフルーツを食べるよう身体がつくられており、肉そして草やハーブのセルロースから十分なエネルギーを得ることはできない。
フルータリアンとは主にフルーツを食べる人間のこと。フルーツは生物学的みて、人間の身体に最も適した食べ物である。
全ての人間は、フルータリアンの食生活を実践することで健康に、そして幸せに生きていくことができる。
とは言え100%フルーツのみの食生活はおすすめしない。必要な栄養素を満たすためには、野菜を食べることも必要だ。
フルーツと野菜をメインに、ナッツや種を少量摂る「ヴィーガンかつアルカリ性の食生活」が、理想的なフルータリアンの食生活である。
フルータリアンが食べ、飲むべきもの
スイートフルーツ:オレンジ、バナナ、りんご、メロン、ぶどう、パパイヤ、ベリー類、サクランボ、桃、プラム、アプリコット、いちじく、デーツ、ドリアン、マンゴ
ノンスイートフルーツ:きゅうり、アボカド、パプリカ、トマト
野菜:レタスやその他の葉物野菜、スプラウト、セロリ
ナッツや種:ひまわりの種、ウリ科の植物の種、アーモンド、ウオールナッツ、ココナッツミート
生のナッツや種は食べる前に24~48時間浸水し、脂質を取り除いて消化を良くする。
飲み物:ココナッツウオーター、フルーツや野菜のフレッシュジュース、蒸留水
フルータリアンが食べないもの、飲まないもの
動物性食品(肉、ミルク、チーズ、バター、クリーム、卵)
根菜、ジャガイモ、豆、豆腐
穀物や穀物を使用した食品
ジャンクフード、スーパーフード
加熱食品(移行期間には、蒸した野菜・かぼちゃ・さつま芋をおすすめする)
お茶、コーヒー、ソフトドリンク、アルコール
スパイス、サプリメント(生命を脅かすような重大な不足がない場合を除き)
フルータリアンの食生活:その割合について
★新鮮で生、オーガニックかつヴィーガンの食べ物(フルーツ、野菜、ナッツや種)→100%
(重さベースで)そのうちの80%→生のスイートフルーツ
15%→葉物野菜(レタス、ケール、カラードグリーン、ほうれんそう、スプラウト)、セロリ、きゅうり、トマト、パプリカ
5% →脂肪の多い食品(アボカド、ナッツや種)
★(重さベースで)90%~100%はアルカリ性食品(フルーツや野菜)とする
0% ~10% は酸性のローフード(ナッツや種)とする
★(カロリーベースで)80%は生の炭水化物(ホールフードであること)とする
10%は生のたんぱく質(ホールフードであること)とする
10%は生の脂質(ホールフードであること)とする
食品の選択
新鮮で熟しており、生、オーガニック、ホールフード、そしてヴィーガンの食品を選択する。フルーツと、繊維の柔らかい野菜を主な食事内容とし、おいしいと感じる量だけ食べる。活動に十分なエネルギーレベルを維持し、内臓をきれいに保つためには、十分なカロリーを摂取することが必要。
ナチュラルハイジーンによる食べ合わせ
ナチュラルハイジーンによる食べ合わせの指針に正確に従う。
★フルーツは、胃が空の状態でフルーツのみを食べるか、葉物野菜、セロリ、きゅうりと一緒に食べる。
★メロン類は、常にそれだけで食べる。
★柑橘類(アシッドフルーツ)を食べたら、それ以外のフルーツは1時間半程経ってから食べる。
★ナッツや種、アボカドなど、脂質とたんぱく質が多く含まれる食品を食べる時は、葉物野菜やセロリ、きゅうり、パプリカ(でんぷん質ではない野菜)と組み合わせ、アシッドフルーツ(トマトを含む)は最低限にとどめる。
★アシッドフルーツはでんぷん質:半でんぷん質のフルーツや、スイートフルーツとは良い組み合わせではなく、一緒に食べることは避ける。
食事の準備
なるべく手をかけず、そのままのフルーツや野菜を食べる。皮をむき、切り分け、そのまま手で食べることが最もシンプルかつ自然で健康的。必要に応じて浸水したり混ぜるのはOK。人間の消化酵素は、ナッツや種の固い粒子を完全に消化することができないため、浸水してやわらかくしてから食べる。
いつ、何を食べるか
日中はフルーツと野菜のみ、夕食にサラダと1種類の脂質の多い食品(250~500g程度のアボカド、ナッツや種)とするのが理想。
夕食から1時間半ほどあけて生野菜のフレッシュジュースを飲むのもOK。
*注意:脂質の多い食べものを毎日食べる必要はなく、夕食もフルーツと野菜のみとして全く問題ない。脂質の多い食品を食べたら、アシッドフルーツ以外のフルーツは翌朝まで食べない。
食事と食事の間隔
できるだけ長くあけることが身体にとって望ましい。疲れているなら昼寝するなどして十分に体力を回復するまで、また本物の空腹を感じるまで次の食事をとらない。甘く水分の多い食品を十分な量食べれば空腹はおさまり、水分は補給され、必要なカロリーを満たすことができる。
フルーツ(炭水化物が豊富なホールフード)から十分な量の栄養素を摂取することで、肉体・精神のパフォーマンスを維持できるレベルに血糖値も保たれる。
良く噛む
ほぼ水になるまで良く噛み、かたまりを飲みこまない。意識してゆっくり良く噛むことで食べ物本来の味を楽しむ。
ナチュラルハイジーンが「フルータリアン」の根底をなす。そのため、ナチュラルハイジーンの考え方に基づく食べ合わせやガイドラインに従って、フルータリアンの食事法を実践する。
体内の浄化が進むとフルーツや野菜の味がよりおいしく感じられるようになるため、まずはヴィーガンの食事法を試してみようと思うかもしれない。その場合、最初に赤身の肉、豚肉、揚げた肉を食べることをやめる。
その後できるだけ速やかに動物性食品(鶏肉、魚、卵、乳製品)の摂取を完全にやめる。
★その他摂取すべきではないもの:加熱した油や穀物(米、パン、パスタ、オートミールなど)、添加物、保存料、塩(海塩を含む)、スパイス、白砂糖、コーヒー、カフェインを含むお茶類、放射線を照射した食品(訳者注:じゃがいもの芽が生えないようにするため、放射線を照射する場合がある)、オーガニックでない食べもの、低温殺菌した牛乳やチーズ、発酵食品、ローストしたナッツや種、フルーツジャム、砂糖をまぶしたドライフルーツ、ジャンクフード、漂白された食品、フッ素入りの水、アルコール、ドラッグ
病気をお持ちの場合、治癒するか体調が良くなるまで一時的にナッツ、種、アボカド、ドリアン、オリーブ、ココナッツ、大豆といった、ヴィーガンではあるが脂肪とたんぱく質の多い食べものを食べないようにする。脂肪は身体の治癒力を阻み、炎症を長引かせてしまう。たんぱく質によって身体が癒されることはなく、フルーツや野菜にも必要量のたんぱく質は含まれている。たんぱく質の不足を気にする必要はなく、ヴィーガンの食生活こそ病気の治癒に適している。
サプリメントは摂取しない。なぜなら、サプリメントとは興奮剤であり、私たちの身体はサプリメントを利用できるようなつくりになっていない(生命を脅かすような栄養不足の場合は医師のアドバイスに従う)。
フルータリアンへの移行
おいしいと感じる健康的な食べ物を選択することを基本に、個々人の感覚に従って移行のスピードを決める。
糖尿病をお持ちの方:ジュースではなくそのままのフルーツを、セロリやレタスと一緒に食べる。
重度の炎症や大腸炎の方:フルーツのみの食事は、浄化作用の初期段階には心地よく感じないこともある。その場合、例えば熟したバナナなど、食べやすいと感じるフルーツのみを食べ、同時に十分な睡眠をとる。腸にたまっていた毒素が排出され、体調が回復するまでジュースは飲まない。
投薬についてはかかりつけ医のアドバイスに従う。その場合、この食事法で症状の治癒を目指していることを説明し、安全なペースで投薬の量を減らせるようサポートを受ける。
免疫抑制剤はどのような症状にも役に立たないどころか、身体の治癒プロセスを阻害してしまう。安全を確保した上でできる限り速やかに、摂取をやめることが望ましい。
ジュースのみ、フルーツのみの食事への移行を急ぎすぎない。デトックスのプロセスが急速に起こり過ぎてしまう場合があるからだ。
熱があったり、腸の状態が不安定で固形物を受け付けないような場合、フレッシュジュースやスムージーは非常に有効だ。逆に、ナッツや種といった消化の悪い食べ物は避ける。著者(デイビット・クレイン博士)はこのような症状でお悩みの方に、自らの経験に基づいたアドバイスを提供している。
いつ何を食べるか
1. 朝はスイートフルーツを。日中に食事をするのであれば、フルーツや野菜をそのまま、もしくはジュースやスムージーにして。空腹を満たすため1時間~3時間おきに食事する。
2. 夕食には野菜ジュースか加熱した料理を(以下の注意事項を参照した上で選択)。加熱食の後にはスイートフルーツを食べない。夕食に加熱食を食べた場合、スイーツフルーツを食べるのは翌朝とする。
3. 加熱したフルーツは食べない。
飲み物
蒸留水やフレッシュジュースから十分に水分を補給する。1日に2リットル程度の液体を毎日飲む。
フルーツや野菜から絞ったフレッシュジュースを1日にグラス1杯~2杯、お昼以降に飲む。胃もたれを避けるため、野菜ジュースの後にスイートフルーツを食べたり、スイートフルーツのジュースやスムージーを飲まない。
固形食品
本当におなかが空いた時にだけ固形の食品を食べる。味覚やその他の感覚に従って必要な食べものを選択できるようになることが理想。おいしいと感じるヴィーガンの食べものを食べることが身体の養分となる。
食べる前にはにおいをかぎ、良いにおいだと感じるもののみ食べる。そうでないものは、少なくともその時点では身体にとって有益でない。他のものを食べるか、本当にお腹が空いているかもう一度自らの身体と相談する(本当の空腹をキャッチできるようになることが重要)。食事中に、その食べものがおいしいと感じられなくなったら、またおなかがいっぱいになったと感じたら、食べるのをやめ食べ過ぎを防ぐ。
固形食品を食べるのなら、水やジュースはできれば20分前までか、1~2時間後に飲む(消化酵素が薄まらないようにするため)。
ローフード
正しい食べ方をするのであれば、ローフードは最も健康的な食事法である。また加熱調理する場合は、蒸すことで栄養価の破壊を最小限に抑えることができる。
48度以上での加熱は、そのものの持つ生命力や酵素、ビタミン類を破壊してしまう。高温で焼くと、植物の細胞からミネラル分が飛び出して非活性となり、私たちの身体は利用することができないばかりか、動脈のプラークとなり浮腫の原因になる。
たくさんの栄養素を摂取するためにはフレッシュジュース、軽く蒸した野菜、また野菜スープもミネラル分の摂取に有効だ。
焼く、電子レンジにかける、炒める、揚げるといった調理法は避ける(揚げ油は健康にとって最も有害)。焼く温度は蒸す温度より高く、よりたくさんの栄養素を壊してしまう。
治癒期間中に加熱料理を食べたい場合は、焼かずに蒸すことをおすすめする。フォークがやっと通るくらいに蒸した野菜、さつま芋やかぼちゃの栄養素そして繊維は、一部が破壊されただけですんでいる。
最善の健康を手に入れるためには、食事に占めるローフードの割合を75%かそれ以上にまで徐々に高める。
穀物
穀物は人間にとって必要ではないばかりか、体内で粘液を発生させてしまう。穀物は腸内で発酵し、ガス、疲れ、ぼんやりとした意識、動脈のつまり、便秘の原因となり、また酸を生成する(アマランス、雑穀、キヌアを除く)。穀物のでんぷんは糖に変換される必要があるため、消化に長く時間がかかる。
スパイス
カレー、コショウ、カイエンペッパーといったスパイスや、玉ねぎ、ラディッシュ、マスタードグリーン、ルッコラ、クレソン、にんにく、チリなど辛みのあるもしくはスパイシーな刺激物は避ける。これらは現在の症状、特に炎症性大腸炎を悪化させる。
豆
豆類は消化が悪いためおすすめしない。スプラウトにした豆は比較的消化が良いものの、症状の治癒期間中にはおすすめできない。
消化にかかる時間
ゆっくり良く噛むことはとても大切だ。30回~60回噛むことで、消化酵素が含まれた唾液の分泌を促す。繊維質をできる限り分解することで、そこに含まれる栄養素が放出され、同時に消化を促進する。胃をはじめとする消化器官の作業は、これによって軽減される。
塊のまま小腸に到達した固形物は、腸内の繊細な内壁を削り取ってしまう。削り取られた細胞は腐敗し、不快な症状をもたらす。
食べたものが消化されてから胃や腸に送られる一連のプロセスは、速やかに(3~5時間のうちに)完了するのが理想的。消化という作業から解放された身体は、例えば自己治癒といった他のタスクにエネルギーを振り向けることができる。
水分の多いフルーツは数分で消化されるが、バナナやデーツのような食べ応えのあるフルーツの消化には1時間から1時間半程度かかる。
でんぷんの消化には4から6時間、脂質やたんぱく質の多いものは6時間から12時間も消化に必要。下痢が続き頻繁にお手洗いに行く必要がある状態では、でんぷんや脂質・たんぱく質の多いものを完全に消化できていないことが多い。消化されない食べ物は腸内で腐敗し、体調をさらに悪化させる。
その他重要なポイント
★自分の食べるものに意識を向け、食事を慎重に選択し計画する。食事はリラックスした状態で食べる。疲れている時、感情的になっている時、特に固形物は食べない。
★オーガニックかつバイオダイナミック製法で育てられたものが最も栄養価が高く安全。可能な限り最善の選択をする。なるべく健康食品店やファーマーズマーケットで、最も新鮮なフルーツや野菜を購入する。
★健康になろうとする自らの身体の働きをサポートする。そのためには、体内をきれいにし、精神を明晰に保ち、完全に消化が行われるような食事をすること。
★健康的な食べ物が手に入らない場所に行く時は、自分の食事を持参する。
★便を観察し、消化の状態を把握する。
★食べ物は病気を治してくれない。食事によって肉体と心に宿る自己治癒のパワーを引き出し、癒しを促すのである。
★本能に従って健康的に生活し、食べる。食生活の移行は常に進行するもの。進むにつれ人生そのものが改善する。忍耐強くなり、あなたが受け取るのにふさわしい幸せを手に入れよう。
生命力にあふれ、水分をたっぷり含んだフルータリアンの食生活を始めると、私たちの身体は健康のレベルを向上させるべく働きはじめる。その最初のステージがデトックスである。
酵素が含まれる栄養素を取り込むと、身体はすぐに反応する。そのエネルギーを利用して体内の掃除をはじめるのだ。消化しきれなかった食べ物のカスを腸や体内の組織から取り除き、古くなった細胞を入れ替えることで新しい健康な身体につくりかえる。急激なクリーニングに伴う不快感をさけるためには、徐々に食生活を移行する。
デトックスのプロセス
1. 代謝しきれなかった老廃物や環境から取りこんでしまった有害物質を、細胞から血流へと放出する。肝臓と腎臓が血液をフィルターにかけ、有害物質を取り除く。
2. 排泄器官(腸、腎臓、肺、肌、尿、膣)が老廃物や毒素、食べもののカスを便、尿、呼吸、汗、生理によって排泄する。粘液に含まれる毒素は喉や鼻から排泄する。
忙しい毎日や不健康な食生活が日常になると、上記のような排泄の作業が追い付かず、特に腸の中に有害物質が蓄積する。この状態を「中毒症」と呼び、老化を早めるだけでなく、疲労や病気の原因となり、肥満を招く。
加熱した肉、乳製品、パン、ジャンクフードを常食した結果である中毒症の状態では、腸内、動脈壁、血液中、組織や臓器にも老廃物が溜まっている。
私たちの身体は「自己治癒」というすばらしい機能を持っており、常に健康な状態を保とうとしてくれている。体内の毒素の量が健康を脅かすほどになると、身体に備わった知性が働きデトックスや排泄のための様々な「症状」に見舞われる(喉の痛み、炎症、熱、肌荒れ、舌に生えた苔、痰、痛み、吐き気、下痢)。体臭や口臭が気になるのは、腐敗した毒素や酸が排出されているサインだ。
身体の自浄作用であるデトックスは、特に早朝~午前中の時間帯に活発になる。そのため、この時間帯の食事はなるべく軽くすることが望ましい。
朝食に適しているのは水分を多く含んだ食べものや飲み物。この時間帯に消化の悪いものを食べると浄化作業を一時的に停止してしまい、毒素は排泄されず、肥満をもたらす。
デトックスは「異化」とも呼ばれる。劣化した細胞を分解して健康な細胞と交換し、ダメージを修復し、内分泌系のバランスを取る。同化期間と呼ばれる再構築の期間に向けて準備をすすめるのだ。
こうした身体の機能を十分に働かせるためには、正しい生活習慣とフルーツをメインにした食生活をすること、また「Vegan Healing Diet Plan™」(オーダーメイドのヒーリングプラン)に従うことも有効である。
デトックスのための製品(入浴剤、サウナ、腸洗浄など)は必要ないばかりでなく、かえって身体の負担となる。
以下のような場合身体はたくさんのエネルギーを必要とするため、デトックスのプロセスを一時的に中断する:負荷の高いエクササイズ、精神的・感情的・肉体的なトラウマに向き合う、グルテンを含む食事、ドラッグやハーブの摂取、ヘビやクモによる毒を内臓が処理痛している時
毒素を血流へと放出するデトックス期間に頭痛を経験する人は多い。徹底的なデトックスでは、不健康な脂肪や大小の腫瘍も分解・排出される。毒素が放出されると感情の浮き沈み、悲しみ、怒りといった精神・感情のデトックスを経験することもある。
身体に備わった知性は、体内で起こっていることを正確に把握しているため、私たちがすべきなのは身体の働きに協力することだけだ。こうしてデトックスが適切に実行されると、栄養を最大限受け取ることができるようになり、やがて健康が回復する。適正な体重とエネルギーに満ちあふれた前向きな気分は、ヒーリングが完了し、医薬品を摂取する必要がなくなってはじめて得ることができる。
病気から回復するために必要なのは体内の浄化だ。きれいになった体内環境を維持するためには健康的なライフスタイルを継続しなければならない。でないと病気はまた戻ってくる。
デトックスの初期に不快な症状に見舞われたとしても、徐々に落ち着く。排泄器官が弱っていて十分に機能しない場合、毒素の排出先を耳、喉、膣、肌(汗、吹き出物、ひび割れ、膿)、静脈、頭皮といった器官に求めるため、これらの部分に不快な症状が出る場合もある。が、排泄が順調にいっているサインだということを理解する。疲れや眠気を伴う場合は休息と睡眠をたっぷりとる。ダメージを修復し、新しい細胞をつくり、若返りを図り健康を取り戻そうとする修復作業は、寝ている間に起こるのだ。
生活のペースをスローダウンし、睡眠時間を増やし、休息を十分に取るのと同時に、活力を再び感じるようになるまで食事をできる限りシンプルにすることも有効だ。ファスティングやジューシングの施設に滞在したり、リトリートに参加するなど。
身体の大掃除には数カ月から半年程度、時には何年もかかることもあるが、決して途中であきらめないでほしい。健康に近道はない。身体の声を良くきき、身体からの要求に従っていれば、いつか必ず健康を取り戻すことができる。
デトックスとは、私たちが自分にしてあげられる最高の贈り物なのだ。
Dr. David
Klein(デイビット・クレイン博士、この文書の著者)
Annette Davidsson
Dr. Paul Fanny
Dr. Laurence Galant
Don Weaver
Charlie Abel
Michael Arnstein
Stephan Reeve
Petr Cech
Ken Love
Brian Rossiter
Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)
Dr. Timothy Trader
Dr. Douglas Graham
Susie Miller
Rene Beresford
Dr. T. C. Fry
Essie Honiball
Dr. V. Virginia Vetrano
Morris Krok
Dr. Herbert M. Shelton
Mahatma Gandhi(マハトマ・ガンジー)
O.L.M. Abramowski, M.D.
Henry David Thoreau
Leonardo da Vinci(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
デイビット・クレイン博士が開発した「The Vegan Healing Diet Plan™」は、どんな症状も改善することが可能なフルータリアンの食事プランである。
各人の症状に最も有効なヴィーガン食を選択し、食べ合わせ、準備のしかた、食べる順番などついてアドバイスする。脂質の多い食品は含まない。
詳しい情報をお知りになりたい方はこちらまで連絡いただきたい。プログラムの開発者、デイビット・クレイン博士がオーダーメイドのプランをご提案する。