NYベジレポートvol.8 スターチ・ソリューション

ヴィーガン・フェスティバルで聞いたレクチャーの中でも特に興味深かった、ジョン・マクドゥーガル博士の"The Starch Solution"についてご報告したいと思います。

 

"The Starch Solution" は、今年5月に発売されたばかりの本のタイトル。著者のジョン・マクドゥーガル博士はカリフォルニア州サンタ・ロサで宿泊型のメディカル・センターを経営しています。この施設に滞在した患者さんたちは、正しい食習慣を身につけることで、病気の症状を改善したり、減量の効果を上げているそうです。

 

レクチャーによると、マクドゥーガル博士の持論は「人間はスターチ(でんぷん)を主食とする生き物である。でんぷんをしっかり食べることでもっと健康になれる」というもの。でんぷんといっても、精製した白米や小麦粉をすすめているわけではなく、芋や豆類を推奨しているようです。

 

以下レクチャーのポイントです。

 

‐でんぷんが体に悪いなんて嘘。グルテンにアレルギーのある人は確かにいるが、割合はごくごく少ない。

‐野菜だけ食べているのでは十分なエネルギーを摂取することはできない。

‐コレステロールの摂取を減らしたところで心臓病のリスクは低下しない。それではなぜコレステロール値の高いことを目の敵にするかというと、低下させる薬が存在し、儲かるからに過ぎない。

‐オーニッシュ博士は魚は食べてもOKだというが、ベジタリアンには到底受け入れられない。

‐マクロニュートリエント(炭水化物、たんぱく質、脂質)とマイクロニュートリエント(ビタミンやミネラル)のうち、大切なのはマイクロニュートリエント。特に、AGF1という物質が老化防止の鍵。

‐健康のためには、カロリーは低く、マイクロニュートリエントはたくさん含まれる食品を食べること。

‐アメリカ人は、たった5%しか、野菜・フルーツ・豆類から栄養を摂っていない。

‐動物性たんぱく質はAGF7という老化促進物質の元となる。

‐ステーキとベーグル、どちらにもマイクロニュートリエントは含まれておらず、がんの成長を促進させる。そういう意味ではどちらもおなじようなものだが、どちらか選べといわれたら自分ならベーグルを選ぶ。

‐白いものは命を縮める。砂糖、白米、小麦粉、たばこ、コカインなど。

‐ベリー類はスーパーフードである。

‐ナッツやアボカドは、肥満や糖尿病でなければ食べてもOK.

‐植物たんぱく質から必須アミノ酸の全てを摂取できる。

‐植物ベースの食事で、EPA、DPE、B12も十分足りる。

‐動物を食べることは、経済的にも環境への影響を考えても非常に高くつく。しかも健康に良くない。